大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国立民族学博物館

国立民族学博物館(みんぱく)は、創設37年をむかえます。2009年4月に第5代館長に就任してからの国際的なかかわりを、学術協定と外国からのゲストに焦点をあてて「館長だより」としてお知らせします。なお、本欄の国際シンポジウムの詳細は、みんぱくホームページをご覧下さい。

みんぱくホームページ  http://www.minpaku.ac.jp


みんぱくの国際交流の一端を須藤健一館長が紹介します
by minpaku
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2011年 03月 05日
紛争問題研究の専門家の訪館
国際シンポジウム「日常を構築する―アフリカにおける平和構築実践に学ぶ」に3名の紛争研究の専門家が参加した。お一人はノルウエー生命科学大学からのナダラジャ・シャンムガラトナム(Nadarajah Shanmugaratnam)教授で、スリランカ出身。日本の大学で10年ほど研究をした経験があり、現在は国際的に著名な紛争解決のための研究者である。オスロ国際平和研究所からのシンディ・ホースト(Cindy Horst)上級研究員は、アフリカの民族紛争の専門家である。そして、アフリカからはナイジェリアのオバフェミ・アウォロゥオ大学のチャールズ・ウケジェ(Charles Ukeje)准教授が参加した。上の二人は文化人類学者であるが、ウケジェさんは国際政治学を専攻し、西アフリカの紛争問題の専門家である。本シンポジウムは、本館機関研究員の内藤直樹さんの企画で鈴木紀准教授が組織する「機関研究―支援の人類学」の一環として行ったものである。日々の生活を営む人びとの視線から、紛争後の生活回復・復興の希望とそれを実現するための当事者間、NGOや民間の人びとの活動に焦点を当てた、若手研究者主体のユニークなシンポジウムであった。
# by minpaku | 2011-03-05 17:06 | 海外からの来客
2011年 01月 28日
ヨーロッパ人類学の草分け ボワセベン教授訪館

マルタ島など地中海社会を対象に人類学の調査研究を行っているJ.ボワセベン(Boissevain;アムステルダム大学名誉教授)ご夫妻が訪れた。本館の森教授企画の国際ワークショップで「ヨーロッパ人類学の地平」の基調講演を行うためである。ボワセベンさんは、戦後アメリカの「世界貧困救済組織」CAREの一員として在日し、東京・横花などで日本人が生活を立て直すための「ケアーパッケージ」を配布する仕事に就いていたとのこと。その後、ロンドン大学で人類学を専攻して、1952年からマルタ島で家族・親族を中心とした調査研究を行い、現在もマルタ訪れているとのことである。ヨーロッパ人によるヨーロッパ社会研究の草分け的存在である。
# by minpaku | 2011-01-28 17:49 | 海外からの来客
2010年 12月 17日
大韓民国文化財庁無形文化財課一行の訪問
大韓民国文化財庁無形文化財課より、キム・チソン行政事務官、イム・スンボム学芸研究士、イ・ミョンヒ主務官、チン・ヨンファン主務官が、東京芸術大学の金宰永教育研究助手の案内と通訳をともに訪れた。本館では、田村克己副館長が太田心平助教とともに対応した。現在韓国文化財庁は全羅北道全州市にアジア太平洋無形文化財殿堂の建設を計画中であり、そこでは公演、展示、伝承、伝達の機能をもつことが計画されており、それに向け韓国を中心に世界各国の無形文化財のアーカイブの作成と活用に関する作業を行っているとのことである。本館はこうした事業について先進的役割をしているとして、運営方針や展示運営、公演事業等に関し質疑応答があり、本館における資料の公開とその運営について意見交換が行われた。また、将来的に本館と協力して事業を展開する可能性も話された。本館は、1977年の開館当初から、映像資料の閲覧システム(ビデオテーク)を通じて無形の文化に触れる機会を広く一般に提供するという、世界でも先駆的な努力をおこなってきた。こうした本館のとりくみが評価され、新たな博物館事業を展開する際にも参考にしていただけるということは、本館の国際的な学術・社会的貢献としてたいへん意義があることだと思っている。将来的には本館と韓国文化財庁との連携事業がさらに進むことを願っている。

# by minpaku | 2010-12-17 18:05 | 海外からの来客
2010年 12月 13日
雲南民族音楽研究者の訪問
雲南民族音楽の世界的研究者、張興榮(雲南芸術学院音楽学院教授)、李薇兒(雲南芸術学院音楽学院准教授)そしてHelen Rees(ヘレン・リーズ、カリフォルニア大学ロサンゼルス校教授)の3氏が12月13日に訪れ、中国南部の民族音楽研究の歴史と現在について懇談した。3名の研究者は、12月11日に開催された総研大博士課程院生の伊藤悟君が企画した国際シンポジウム「雲南少数民族の伝統音楽」へ参加するための訪館であった。本館からは、横山広子准教授、韓敏准教授と塚田誠之教授が懇談に加わった。張さんは学生時代から雲南省の諸民族の歌にひかれ、以来25の少数民族の芸能文化について30年にわたり調査研究を行っている。その成果は10点以上の著書で公にし、また日本や欧米で招待講演を行うなど国際的に活躍している。李さんは、張さんとともに調査を行い、主として映像記録を担当している。そして、リーズさんは雲南のナシ族と漢族の儀礼音楽を専門に調査を行い、3点の民族誌をあらわしている。伊藤君とリーズさんは張さんの雲南恩芸術学院の教え子で、伊藤君は師を招いて国際シンポを開催したことになる。
# by minpaku | 2010-12-13 18:05 | 海外からの来客
2010年 12月 10日
サンクト・ペテルブルグの国立民族学博物館訪問
ロシア国立民族学博物館(The Russian Museum of Ethnography)とロシア科学アカデミーピョートル大帝記念人類学・民族学博物館(KUNSTKAMERA;Peter the Great Museum of Anthropology and Ethnography, Russian Academy of Sciences)を12月2日から9日にかけて酷寒のなか、佐々木史郎副館長と訪問した。ロシア国立博物館では、昨年秋に本館を訪問されたV.グルスマン(Vladimir GRUSMAN)館長と再会し、歓迎されるとともに学術交流協定の調印を行うことができた。この博物館は、1895年創設でロシアおよび近隣地域の民族と文化に関する膨大な資料を収集・所蔵、展示している。修復が終了した特展用の中央ホールは、紫がかった大理石列柱と多様な民族レリーフからなる空間である。研究者が収集したロシアの民族衣装、中央アジアの現代展示、シベリア諸族のシャマンの展示、またロマノフ王朝からの寄贈された金銀や宝石の装飾品や儀礼用銃などの「秘宝」等々の展示は、本質主義的であるが見ごたえのある工夫が凝らされている。本館とは、共同調査、収蔵品の科学的保存技術の交換などを中心に交流を深める予定である。
クンストカメラ(「僻遠・未知の地の稀少・珍重な収集物」の意味;人類学・民族学博物館)では、Y.チストフ(Yuri CHISTOV)館長らと人間文化機構の「日本関連在外日本資料の国際共同研究」プロジェクトの調査実施についての打ち合わせを行った。当博物館とは佐々木副館長が親密な学術関係を維持しており、話はスムースに進んだ。当館の3名の日本研究者は、所蔵する数百点の日本資料については写真撮影を終えているとのことで、みんぱく側からはそれらの資料についてのより的確なコメントと歴史的経緯などについて資料提供して、両館で共同研究の成果を公にするという方針を確認した。クンストカメラ博物館は、1714年にピーター大帝によって創設され、18世紀から天文学、生物学、形質人類学から民族学や外国の歴史資料など180万点を所蔵している。人類史や世界各地の展示はケースにおさめられた伝統的展示であるが、年間120万人が訪れている。2004年には創設300年記念事業を予定しており、本館と共同の催しを開催することを要請された。


# by minpaku | 2010-12-10 18:17 | 国際学術協定ほか
2010年 12月 01日
教皇庁立ペルー・カトリカ大学との学術協力協定の調印
ペルー・カトリカ大学と本館との学術交流協定の調印が12月1日に館長室において行われた。この調印には、カトリカ大学総長のルイス・ペイラノ・ファルコ二(Louis Peirano Falconi)教授が来館され、私とのあいだで協定書に署名した。本協定は、齊藤晃准教授を中心とする先住民研究プロジェクトの推進やシンポジウムの開催、教員の交流などをカトリカ大学との間ですすめることを目的としている。ファルコニ教授は、社会学者で大衆演劇とコミュニケーション論を専門にしている。実際に数百人の出演者を指揮、演出して教会演劇を行う芸術家でもある。15年前に故友枝啓泰名誉教授が組織したアンデス国際シンポに参加して、1週間本館に滞在したことがある。1989年にみんぱくで行った「大アンデス展」の入館者数は現在まで超えられておらず、その成功はペルーの天野博物館の協力によるものであるとの私の説明に感激し、その成功譚をペルーで紹介するとかたった。そして、「みんぱくは世界で最大級の民族学博物館である」と延べ、今後は研究だけでなく、みんぱくの特別展などにも協力してくださるとのことである。
# by minpaku | 2010-12-01 17:43 | 国際学術協定ほか
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