国立民族学博物館(みんぱく)は、創設37年をむかえます。2009年4月に第5代館長に就任してからの国際的なかかわりを、学術協定と外国からのゲストに焦点をあてて「館長だより」としてお知らせします。なお、本欄の国際シンポジウムの詳細は、みんぱくホームページをご覧下さい。 みんぱくホームページ http://www.minpaku.ac.jp |
カテゴリ
以前の記事
2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 03月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 07月 2009年 05月 2009年 04月 メモ帳
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
2010年 09月 15日
私が大英博物館とニューヨークの近代美術館で、その大きさと多彩な色づかいに強烈な衝撃を受けた作品がある。その作者、ガーナ生まれ、ナイジェリアで創作活動をしているエル・アナツイさんが、本館の特別展「彫刻家エルアナツイのアフリカ―アートと文化をめぐる旅」(2010年9月16日~12月7日)開催のため1週間滞在した。この特別展は、本館准教授でアフリカ美術の研究者である川口幸也さんの企画によるものである。
エル・アナツイさんは、アフリカの生活風景や奴隷貿易の歴史などを古木を材料に表現してきたが、2000年ごろから、空缶、リカー、ワインのふたやシールなどのアルミ箔を延ばして銅線でつないだ大きな「織物」を作りはじめた。これまでに2度、ヴェネツィア・ヴィエンナーレに招待され、世界的に名が知られるようになった。 本館の特展では、「移動する大陸」「オゾン層」などのタイトル作品をはじめ12点のアルミ箔の巨大な織物、「あてどなき宿命の旅路」というタイトルの木彫など70点余の作品が展示されている。また、それらの作品の文化・歴史的背景を本館所蔵の標本資料の展示によって理解を深める工夫をしている。エルアナツイさんの出身集団エウェの木彫り、アサンテの染物・織物、ナイジェリアのイボやヨルーバの木彫などがある。 エル・アナツイさんは、今年ガーナにもステディオを作り、出身社会の伝統織物などをデザインに新しい素材での作品をつくると話していた。アフリカに拠点をおき、アフリカの人びとの心と歴史を描き続けるとともに、今後は地球温暖化・気候変動など地球規模異常現象を作品のテーマに取り入れ、人類社会の課題をも視野に入れたエル・アナツイさんのユニークな芸術活動に期待する。
by minpaku
| 2010-09-15 17:55
| 海外からの来客
|
ファン申請 |
||